STORY
真珠ができるまで
1 母貝の生産 真珠を養殖するための母貝(ぼがい)を育てます。水槽内で貝を採卵受精させ、2~3年以上かけて成長させます。真珠生産に向く「優良母貝」は、大きさ・成長具合・活力・栄養状態・病気の有無などで評価されます。 |
2 仕立て 母貝が十分に成長したら、「挿核」(母貝の生殖巣に真珠核を挿入する)のショックを和らげるため、貝の活動を低下させる「抑制」を行います。また、生殖細胞を発達させない「卵止め」や、成熟した生殖細胞を放出させる「卵抜き」も同時に行います。 |
3 挿核 「オペ」とも呼ばれる重要な作業で、春から秋に行われます。母貝の生殖巣にメスで切り込みをつくり、貝殻を丸く削り出した「核」を挿入します。真珠核には、主にイシガイ科の淡水産二枚貝の殻が用いられます。挿核する際に、真珠袋を形成させるための「ピース(外套膜片)」を入れ、真珠核にピースが密着するように挿核します。 |
4 珠貝養生 挿核後の、貝の治癒や体調回復のための静養期間。屋内施設や岸近くの静かな環境で2~4週間休ませます。死亡率(挿核の衝撃で母貝が死亡する)・脱核率(核が抜け出てしまう)を低減したり、異常真珠の形成を防ぐ効果があります。 |
5 珠貝養成 養生を終えた母貝を沖に移動させ、真珠核に真珠層を本格的に形成させます。水温・塩分量・酸素量・栄養素の管理、海藻やフジツボなど付着生物の掃除、外敵対策、赤潮対策など、海の環境や貝の状態に合わせてきめ細かい管理を行いながら、真珠層が形成されるのを待ちます。 |
6 浜揚げ 冬を迎えると、いよいよ収穫。冬の低い水温は、真珠の表面層に「化粧巻き」と呼ばれる四季の中でもより優れた真珠層が形成されやすい状況にあります。ナイフ(貝むき出刃)で貝を開き、一つひとつ丁寧に真珠が取り出されます。長い年月をかけ、真珠が誕生する瞬間です。 |